投稿日:2023/06/22
更新日:2025/04/17
最新情報を取り入れたローカル検索における順位決定要素
MEO(ローカルSEO)対策は、地域に根ざしたビジネスがローカル検索結果で上位表示され、店舗への集客を強化するための重要なマーケティング手法です。「〇〇に行きたい」「〇〇したい」といった具体的なニーズを持つユーザーに対し、Googleは「距離」「関連性」「信頼性」「知名度」といった要素を総合的に判断し、現在営業中の“おすすめ”の店舗を提示します。
効果的なMEO対策は、SEO対策と同様に内部対策と外部対策の両輪で進める必要があります。さらに、両者は独立しているわけではなく、相互に影響し合いながら検索順位が決定されると考えられています。したがって、Googleビジネスプロフィール(以下GBP)と公式サイトを連携させた対策が理想的です。
本稿では、海外のウェブマーケティング企業「WhiteSpark」が発表した最新の調査データに基づき、ローカル検索における順位決定要素の現状と対策のポイントを解説します。
<2023年のローカル検索における順位決定要素ランキング>
1位:Googleビジネスプロフィール要素 (34%)
2位:公式サイト要素 (20%)
3位:Googleビジネスプロフィールへの口コミ要素 (15%)
4位:ユーザー行動要素(電話、経路検索、公式サイトクリック、滞在時間 等)(10%)
5位:公式サイトの被リンク要素 (9%)
6位:サイテーション要素 (7%)
7位:パーソナライゼーション (5%)
過去のデータと比較すると、GBP要素の重要性が依然として高い一方で、公式サイト要素とユーザー行動要素の重要性がわずかに上昇する傾向が見られます。これは、Googleがよりユーザーエンゲージメントと質の高いコンテンツを重視するようになっていることを示唆していると考えられます。
海外ウェブマーケティング企業「WhiteSpark」調査データより
調査概要
Googleの検索順位の決定要素とは
この調査では、Googleがローカルパック、ローカルファインダー、Googleマップ、そしてローカルオーガニック検索結果でビジネスを評価・ランク付けする際に考慮すると考えられる複数の要素について、ローカル検索の専門家が意見を分析・検証しました。Googleのアルゴリズムの内部構造は非公開ですが、長年の分析、経験、研究に基づき、専門家たちが重要と考える要素をランキング化したものです。上位にランクインした要素ほど、ローカル検索順位に大きな影響を与えていると考えられます。
ローカル検索における順位要素群
リンクシグナル
- 公式サイトへの被リンクの質と量
- 被リンク元のドメインオーソリティ、関連性
- アンカーテキストの適切性
- 地域関連のウェブサイトからの被リンク
2023年のローカル検索における順位決定要素
の重要度付けについて
ローカル検索における順位決定要素の経年変化
今年は、Googleビジネスプロフィールのシグナルとリンクシグナルの低下が見られます。この割合は、オンページ(公式サイトのSEO要素)と行動シグナル(Googleビジネスプロフィールのユーザー行動)にシフトしており、ローカル検索の現状を反映した正確な再分配だと思います。前回の調査では、GBPシグナルのウェイトが高すぎたように感じました。
2023年のローカル検索の専門家は、公式サイトのコンテンツにより多くの時間とリソースを投資し、この作業によってローカルパック/ローカルファインダーとローカルオーガニックの結果が改善されるのを見ています。
また、行動シグナルを増やすためにGoogleビジネスプロフィールを強化し、コンバージョンを向上させるという利点もあります。
パーソナライゼーションシグナルが4%から6%に増加したのは不可解ですが、これはあまり気にする必要はないと推測します。パーソナライゼーションは、検索結果において常に小さな役割を果たすものであり、それをコントロールすることはできません。
注目すべき変化と対策
近年の調査データから、以下の要素において重要度の変化が見られます
重要度が増した要素
- GBPの最新情報の積極的な投稿とエンゲージメント: 単なる情報掲載だけでなく、最新のイベント情報、キャンペーン、商品紹介などを積極的に投稿し、ユーザーとのエンゲージメントを高めることが重要になっています。
- 高品質で地域に特化したコンテンツ: 公式サイトにおいて、地域住民にとって有益で質の高いコンテンツの重要性が増しています。地域情報、イベント情報、地域ならではのサービス紹介などが有効です。
- ユーザー行動の促進と分析: 電話問い合わせ、経路検索、ウェブサイトへのクリックといったユーザーのアクションを促し、そのデータを分析して改善に繋げることが重要です。
重要度が低下した要素
- 被リンクの量よりも質と関連性: 依然として被リンクは重要ですが、リンク元の質や地域との関連性がより重視される傾向にあります。
- 口コミ内のキーワード: 口コミに特定のキーワードが含まれていることの直接的な順位への影響は以前ほど大きくありません。しかし、ユーザーの意思決定には依然として重要な要素です。
- オーナーからの返信におけるキーワード: 返信にキーワードを含めることの順位決定における効果は限定的ですが、ユーザーとのコミュニケーションと信頼構築には不可欠です。
今後のMEO対策のポイント
最新の調査結果を踏まえ、今後のMEO対策においては以下の点を重視していく必要があります。
-
Googleビジネスプロフィールの最適化と積極的な運用:
- 正確かつ詳細な基本情報を登録する(NAP情報の統一は必須)。
- ビジネスに最適なカテゴリを設定する。
- 定期的に最新情報を投稿し、店舗の活気を示す。
- 質の高い写真や動画を積極的に追加する。
- 商品やサービス情報を充実させる。
- Q&Aに迅速かつ丁寧に回答する。
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公式サイトの強化:
- SEO対策を徹底し、検索エンジンからの評価を高める。
- モバイルフレンドリー対応、ページ速度の改善、常時SSL化を行う。
- 地域キーワードを適切に含んだ、質の高いコンテンツを制作・更新する。
- 構造化マークアップを実装する。
- GBPのランディングページへの内部リンクを最適化する。
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口コミの獲得と丁寧な返信:
- 顧客に口コミ投稿を積極的に依頼する(Googleのポリシーに違反しない範囲で)。
- 良い口コミだけでなく、悪い口コミにも真摯に返信する。
- 返信を通じて顧客との信頼関係を構築し、店舗の印象を向上させる。
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ユーザー行動の促進と分析:
- GBPや公式サイトから電話、経路検索、問い合わせなどがしやすい導線を設計する。
- Google Analyticsなどのツールを活用してユーザーの行動を分析し、改善点を見つける。
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ローカルSEOにおける最新動向の注視:
- Googleのアルゴリズムは常に変化するため、最新の情報を収集し、対策をアップデートしていくことが重要です。
まとめ
ローカル検索における順位決定要素は常に変化していますが、GBPの充実、公式サイトの強化、口コミ対策、そしてユーザーエンゲージメントの促進が依然として重要な要素であることは変わりません。最新の調査データを参考に、自社の状況に合わせて効果的なMEO対策を実施し、地域における集客力の向上を目指しましょう。
ご不明な点や、さらに詳細な情報にご興味をお持ちの場合は、お気軽にお問い合わせください。
参考・引用
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